社会人の基本の「ほうれんそう」が指すものは、もちろんおひたしに
よく使われる野菜ではありません。報告・連絡・相談の三つの単語の
頭をとって、組み合わせた言葉がそれです。報告と連絡と相談は、
組織に属す人間として最低限行うべきことであり、ビジネスの基本です。

社会人として組織の中で働くということは、個ではなく組織の一部と
して見られるということです。組織が正常に機能するためには、
中の人間がそれぞれ個別に動くのではなく、一体的あるいは連動的に
動くことが求められます。

しかし組織に属するのは一人一人の人間ですから、意思の疎通なくしては
情報の共有はできません。業務を完了したとしても、報告しなければ
指示を出した人間は達成を知らないままとなりますし、移動や活動の
連絡を怠れば、存在は組織に把握されなくなります。対処法の
知らないものを、自己判断で相談なしに処理してしまうのは、
組織からコントロール権の一部を奪い取るのと同義です。

慢心や焦りによって怠られる「ほうれんそう」は、組織が作る
システムを崩壊させる危険を秘めます。よって優秀な人間でも、
その基本が行えなければ解雇されることはあります。

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